この記事でわかること
「世界を評価する物差し」を自分の体のなかにつくるために、私の授業には自然のなかで過ごす演習があります。
ダム湖のほとりでカヤックやキャンプをして4泊5日を過ごす演習では、野外活動だけでなくその土地の歴史や価値も掘り起こします。また、スマートフォンも時計も持たずに独りで森で過ごす授業は、お腹が空いたら用意された食事を食べ、日が暮れたら焚き火にあたり、眠くなったらテントで寝ます。
これらの実体験を通して生まれるのが「土地への愛着」です。そして「あの自然を守りたい」という具体的な感覚が芽生えていきます。
※出典:株式会社栄美通信 2024年8月発行「大学×SDGs」
イラスト:MIMOE
世界は滅びつつあるのでは? そんな危機感を抱いてはいるものの、取るべき行動がわからない人はたくさんいます。
大切なのは、「世界を評価する物差し」を自分の体のなかにつくることです。そのために、私の授業には自然のなかで過ごす演習があります。
たとえば、新潟県の奥只見湖というダム湖のほとりで、カヤックやキャンプをして4泊5日を過ごします。体験するのは野外活動だけでなく、その土地の歴史や価値も掘り起こします。
江戸幕府が設けた検問所跡から、ここが江戸時代に銀の採掘場として栄えていたことを知ったり、昭和になって村がダムに沈んだ話を地元の方から聞いたりします。すると、私たちが使う電気を得るために自然が失われたことなど、いろいろなことに気づきます。
また、何も持たずに独りで森で過ごす授業もあります。スマートフォンも時計もないので、お腹が空いたら用意された食事を食べ、日が暮れたら焚き火にあたり、眠くなったらテントで寝ます。そして気づけば、流れる雲や星空を眺めていたり、鳥や植物を観察しているのです。
これらの実体験を通して生まれるのが「土地への愛着」です。
「いつまでもこの川が綺麗であってほしい」「この森がずっと残ってほしい」という想いが自然に湧き、「地球はもうダメなのか」という概念的なものから、「あの自然を守りたい」という具体的な感覚が芽生えていきます。
そして、サステナブルにできることを探すモードになるのです。