都市計画学

まちを持続させるためにも必要! 私たちの「まち並みの予報」

明海大学 斎藤 千尋 教授

この記事でわかること

パッシブソーラーハウスとは、太陽の熱を利用して室内を快適な温度に保つ家です。日陰がつくられないように近隣の建物との関係が大変デリケートで、私は「この場所には今後どのような建物が建っていくのか」という「まち並みの予報」を研究するようになりました。省エネ住宅を推進する日本では、これからますます新しい技術が使われていきます。しかし、技術がいかに進化しようとも、その根幹にあるのは、建物が「熱を通しにくくすること」と「熱を蓄えていること」です。そのことをパッシブソーラーハウスの原理を通して教えています。

※出典:株式会社栄美通信 2024年8月発行「大学×SDGs」
イラスト:内山 弘隆

地球温暖化対策が必要だと言われはじめた1990年代前半、私は「これからはパッシブソーラーハウスを市街地に建てたらどうだろう」と考えました。パッシブソーラーハウスとは、機械を極力使わず、太陽の熱(日射熱)を利用して室内を快適な温度に保つ家です。日陰がつくられないように近隣の建物との関係が大変デリケートで、私は「この場所には今後どのような建物が建っていくのか」「この建物はこれからどのように建て替えられていくのか」という、「まち並みの予報」を研究するようになりました。
 まち並みの予報は、実用化したら住宅地の選択や住みたいまち探しの手掛かりになるだけでなく、自分たちでまちの姿を守るきっかけになります。未来が悪い方に予想されていれば、地主さんや家主さんが、「もう少し地区計画を頑張ろう」「建築の協定を結ぼう」と思うようになるからです。人々が真剣にまちの将来像を考えれば、持続可能なまちづくりにもつながっていきます。
 省エネ住宅を推進する日本では、これからますます新しい技術が使われていきます。しかし、技術がいかに進化しようとも、その根幹にあるのは、建物が「熱を通しにくくすること」と「熱を蓄えていること」です。そのことをパッシブソーラーハウスの原理を通して教えています。これからは、施主さんや家を買う人に省エネの意識を持ってもらうことが大切で、不動産業に携わる人は、建築物の省エネ性能をしっかり伝えていかなくてはなりません。

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