表現教育

上手・下手ではない! 感じたことを楽しく表現する

國學院大學 人間開発学部 子ども支援学科 島田 由紀子 教授

この記事でわかること

私は、子どもの表現、特に造形表現について研究しています。授業では表現することを楽しむために、学生自身が「上手・下手」といった評価軸をなくすことを心がけています。また、概念的な表現を崩すために、その時の自分の気持ちに率直に色を選ぶ、形にする、声に出す、体を動かすという時間を設けています。ゼミナールでは表現に関することを広く取り上げ、取り組んでみたいことを話し合いながら進めています。これまで、幼稚園の子どもたちが参加した美術館での作品の鑑賞会において、遊びの場を企画運営する機会に恵まれました。

専門分野の研究テーマは何ですか?

専門のテーマは子どもの表現で、特に造形表現について研究しています。保育者養成課程における表現教育についても取り組んでいて、「幼稚園や保育所の先生が表現をどう扱うか」といった研究も進めています。

授業でこだわっていることは?

「表現することを楽しめる授業」にしたいと考えていて、学生自身が「上手・下手」といった評価軸をなくすことを心がけています。表現は「上手・下手」という基準では評価できません。楽しむこと、そして自分が思っていることや考えていることを色、形、声、歌、言葉、動きなどで表わすことがとても大切です。その点を大切にして授業をおこなっています。

また、学生自身の概念的な表現を崩すことにもこだわっています。たとえば、「りんごは赤い」「空は青い」「葉っぱは緑」など決まった色で表現するのではなく、その時の自分の気持ちのままに色を選んでみる、形にしてみる、声に出してみる、体を動かしてみる、といったことが大切で、それらを感じて表現することを考えたり、経験したりする時間を設けています。

そして、自身の表現が引き出されたところで、学生同士で表現し合います。そうすることで他者の表現を認め、その表現を自分の中に生かせるようにするのです。

どんなゼミナール・演習ですか?

島田ゼミでは、表現に関することを広く取り上げています。各自が表現に関してやってみたいことや知りたいことをテーマに話し合い、そのうちのいくつかを実際に調べたり形にしたりします。

これまで、幼稚園の子どもたちが参加したアーティゾン美術館(東京都中央区)のスクールデーにおいて、遊びの場を企画運営する機会に恵まれました。ゼミ生たちはどのような製作遊びができるか考え、事前準備をして幼稚園の子どもたちと一緒に楽しみました。

研究における象徴的な「エピソード」を教えてください

2、3年に一度、研究のためにチェコ共和国を訪れています。現地の幼稚園や小学校で子どもたちの絵について調査をします。初めて絵を描いてもらった時、太陽の色が黄色でした。ヨーロッパの子どもたちは黄色い太陽を、日本の子どもたちは赤やオレンジの太陽を描くことは書物を通じて知っていましたが、実際にチェコの子どもたちが黄色い太陽を描いたことに驚きました。

また、チェコでも日本でも、「子どもはおじいさんやおばあさんに対して白や灰色のイメージを持つ」ことがわかりました。私は、「おばあさんになっても黄色やオレンジでイメージしてもらえるように、ちょっと頑張ろうかな」と思った次第です(笑)。

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