メディアアート学

写真を学ぶことは、多様性を学ぶこと

日本大学 芸術学部 写真学科 田中 里実 教授

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この記事でわかること

「私はフォトグラファーです」と自己紹介されたら、皆さんは「どのような写真を撮っているのですか?」と尋ねると思います。
この「どのような」には、人、モノ、風景、イメージなどさまざまな意味がこめられていて、写真には多様性があることを我々は自然に理解しているのです。
写真を専門に学んだ先の職業は、フォトグラファーだけではありません。構成力を学んで茶道家になった人や、ものの見方を学んで文筆家になった人もいます。
写真を学ぶことは多様性を学ぶことであり、現代社会のさまざまな多様性を深く考えるきっかけを与えてくれます。

「どんな写真を撮っていますか?」に込められたさまざまな意味

多様性とは、異なる要素を有する、もしくはそれらから構成される状態で、その概念は広く、さまざまな角度からの見方が存在します。
そして、写真が「多様性」を持っていることに我々は気がついています。

例えば、写真を専門的に撮影している人、趣味にしている人、大学で専門的に学んでいる人が自己紹介する場面を想像してみてください。

私は:「写真家です」「フォトグラファーです」「趣味で写真を撮っています」:

このような自己紹介で相手に話しかけたとします。
皆さんはどのようなことをこの相手の方に質問しますか?
「どんな写真を撮っているのですか?」という問いかけが多いのではないでしょうか。

この「どのような?」には、「どのような被写体を撮るのか」「どのようなジャンルの写真を撮影しているのか」など、さまざまな意味が込められています。
被写体にしても「人」や「モノ」があり、ジャンルでは「風景」「ポートレート」「報道」「ドキュメンタリー」「広告」「イメージ」「自己表現」などがあります。さらに、「風景」も「自然風景」「都市風景」「心象風景」などに分けることができます。

「写真」に多様性があることを自然と理解しているからこそ、このような質問が出てくるのだと考えられます。

フォトグラファーだけが職業ではない

次に、
私は:「日本大学芸術学部写真学科に在籍しています」「写真を学んでいます」:

と相手の方に伝えると、「写真を学ぶとはどのようなことなのですか?」という質問が多くなります。
この質問は、「大学で写真を学ぶ」ということに対して想像ができないから出てきたと思われます。

ですが考えてみてください。
写真に「多様性」があるということは、それだけ奥が深いということなのです。
もちろん、写真を専門に学んだことによりプロの「フォトグラファー」になることを目指す人もいますが、職業はそれだけではありません。

写真を学んだことで社会に役立つことは沢山あります。
例えば、写真の知識を修得して茶道家になった人もいます。その人は、「写真から構成力を学んだ」と言います。
文筆家になった人もいます。その人は「写真からものの見方を学んだ」と話します。

写真という素材・媒体を使い、仕事として成立させることができるのです。
写真を学ぶことは多様性を学ぶことでもあり、現代社会のさまざまな多様性を深く考えるきっかけを与えてくれます。
写真を学び、その知識と感性を現代の多様性社会で役立ててみませんか。

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