この記事の大学
この記事でわかること
僕はゼミで、「そのキャラクターから見えるもの以外書くな」「説明するな。具体的に描写しろ」しか言ってないような気がします(笑)。でも、この2点は非常に重要なポイントで、その〝真髄〟に気づいた学生が、在学中にライトノベル作家としてデビューを飾っているとも言えます。「作家になりたいけど、ネタがない、特別な人生経験もない」という人であっても、小説世界を作るメソッドはあります。適当にキャラクターの絵を7枚くらい壁に貼り、その「見た目だけ」を利用して、その人物がどんな人物かを自分勝手に書き加えていくのです。
『スター・シェイカー』でハヤカワSFコンテスト大賞、『きみは雪をみることができない』でメディアワークス文庫賞、とダブル受賞した人間六度さん。『完璧な佐古さんは僕みたいになりたい』でファンタジア大賞銀賞を受賞した山賀塩太郎さん。『サンタクロースを殺した。そして、キスをした』で小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞した犬君雀さん。いずれも近年、在学中に作家デビューを飾った文芸学科の卒業生です。彼らが所属していた青木ゼミの青木教授に、ラノベ作家への近道を伺いました!
シンプルな2つのルールの真髄に気づくべし!
僕は授業で、「そのキャラクターから見えるもの以外書くな」と「説明するな。具体的に描写しろ」しか言ってないような気がします(笑)。
でも、この2点は非常に重要なポイントで、このシンプルなルールの〝真髄〟に気づいた学生が、デビューを飾っているとも言えます。
ライトノベルには、表紙絵や口絵によって、読者の主人公像・ヒロイン像を固定できるという利点がありますが、この利点に甘えすぎてしまうとキャラクターが薄くなります。
新たにラノベを書きたいと思う学生たちは、当然のように挿絵のついていない作品で新人賞に挑戦するのですから、一度ラノベの利点を捨てて小説の基本を確認する必要があります。
また、作者は作品世界の設定をすべてわかったうえで書いている神様なので、「登場人物の一人から見えている世界」というものに鈍感になっていることが多々あります。
そうなると、読者が小説のなかに「作者の存在」や「作者の作為」を感じてしまいます。それはエンタメ小説にとっていちばん必要のないものです。すでにでき上がっている予定表をなぞらされていると思われたらオシマイなんです。
ライバルに差がつく、小説世界をつくる方法とは?!
作家になりたいけど、自分のなかにネタがない。特別な人生経験もない。という人であっても小説世界を作るメソッドはあります。
これはミステリ作家の松岡圭祐さんも勧めている方法ですが、適当に自分の好きなキャラクターの絵を7枚くらい印刷して壁に貼り、その「見た目だけ」を利用して、その人物がどんな人物かを自分勝手に書き加えていくのです。
この方法には重要な縛りが一つあります。
最初から彼ら7人の関係性やストーリーを絶対に考えないということです。あくまでも一人ひとりを考えていく。人物一人ひとりの解像度を上げていくと、自然と「この人とこの人が、こんなシチュエーションで一緒にいたら、こんな会話が生まれるかも?」という発想が浮かんだりするのです。
それをどんどん転がしていけるセンスがあれば、自然と読者がキャラクターに寄り添える小説が書けます。ストーリーやアイデアで勝負!と思い込んでいるライバルに、ここで差をつけることができます。