メディア学

マスメディアやSNSが、私たちの考えをつくってるの?!

日本大学 法学部 新聞学科 三谷 文栄 准教授

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この記事でわかること

私たちが、見知らぬ人と「あの話ね」と共通の話題を持てるのは、同じような情報を同じようなタイミングで受け取っているからです。マスメディアなどからの情報は、主に国家の枠組みの中で流通し、情報のやり取りで「想像の共同体」とも呼ばれる社会意識が形成されています。SNSも私たちの考えに影響を与えますが、フェイクニュースの問題もあります。正しい情報を見極めるには、発信者や、いつ・どこのニュースなのかといった基本を確認することが大切です。出来事の政治的・社会的・歴史的な文脈を調べるともっと良いでしょう。

みなさんはマスメディアやSNSが、「考え」に与える影響について、思いを巡らせたことはありますか?
マス・コミュニケーションを専門とする私は、ジャーナリズム、メディアが政治・社会秩序の維持や安定化、あるいは分断や流動化にどのように関与しているのかを分析しています。

社会共通の意識を形成するマスメディア

私たちは、行ったことがない地方についてもなんとなく知っていたり、見知らぬ人とも「あの話ね」と共通の話題を持てたりしますよね。それは、同じような情報を同じようなタイミングで受け取っているからです。
背景には、マスメディアなどからの情報が、主に国家の枠組みの中で流通している事実があり、情報のやり取りで「想像の共同体」とも呼ばれる社会意識が形成されています。
そこには、情報によって社会の秩序が維持される一方で、不安定になってしまう可能性もあります。

また、報道によって私たちが「何を議論すべきなのか」というアジェンダが決定されるなど、情報は政治にも影響を与えます。世論が高まれば政治の側もその声に応える必要が出てくるからで、マスメディアやジャーナリズムの政治への影響は、決して小さなものではありません。

正しい情報を見極めるために

SNSも同様に、私たちの考えや政治に影響を与えています。
「保育園落ちた」という匿名ブログが大きなうねりを生み出したように、困っている人の声が届いて社会運動につながる事例もあります。
しかし、SNS上で話題になっていても、それは多数の意見だと統計的にいうことはできません。また、都合のよい切り取り方をされてしまうという問題もあります。

最近では、AIを使ったフェイクニュースが増えていますが、正しい情報を見極めるには、誰が発信しているのか、いつ・どこのニュースなのかといった基本を確認することが大切です。さらに、出来事の政治的・社会的・歴史的な文脈を調べると良いでしょう。

また、何気なく触れている漫画やドラマなど、ポピュラーカルチャーにも、政治的な考えや、常識、社会規範が埋め込まれています。それに気付ける敏感さも情報の見極めに役に立ちます。

民主主義に必要不可欠なジャーナリズムやメディア

1947年に設立した日本大学の新聞学科は、ジャーナリズムだけでなく私たちの日常生活には欠かせないメディアに関して、法学、政治学、社会学といった多様な視点から学ぶことができます。

私たちの日常生活を彩る様々な情報が、そして私たちが日常的に利用しているメディアが、私たちにいかに影響を及ぼしているのか。それが社会的、政治的にいかなる意味をもたらすのか。そうしたことを多様な視点から学べる学科です。
メディア、ジャーナリズムに関心がある学生とお会いできることを楽しみにしています。

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