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2024年、2年次生(当時)のジベク・アイデンさんが、日本歯科医師会主催の研究発表会で優勝しました。
アイデンさんの研究は、虫歯や歯周病などの口腔疾患の原因となる菌擬集「口腔バイオフィルム」の形成を抑制しようとするものです。チタン光触媒が形成を阻止する効果があることを明らかにし、光触媒を導入した歯ブラシを開発しました。この歯ブラシで口腔清掃することで、口腔バイオフィルムが付きにくくなります。
アイデンさんは2025年3月、米国ニューヨーク市で開催された国際歯科研究学会米国部会主催学術大会で、日本代表としてこの研究を発表しました。
1971年創設の日本大学松戸歯学部は、2024年4月に新校舎「50周年記念棟」が完成して、新たなスタートを切りました。そして、この年、2年次生(当時)のジベク・アイデンさんが、日本歯科医師会主催の研究発表会にて優勝するという快挙を成し遂げました。
歯科学生が英語で発表し、英語で質疑応答
アイデンさんが自身の研究成果を披露したのは、日本歯科医師会が主催する「スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会」です。
この大会は1959年に米国で始まり、現在では世界5大陸で開催される、歯科学生のための貴重な研究発表の場。歯科学生が自ら研究し、英語で発表・質疑応答を行うことで、研究意欲を啓発・高揚させ、国際的な視野を持つ歯科医師の育成を目指しています。
「新素材:グルカン依存性口腔疾患予防用光触媒の開発」と題されたアイデンさんの研究は、口腔バイオフィルム形成を抑制しようとするものです。口腔内に住みつく菌擬集「バイオフィルム」は、虫歯や歯周病などの口腔疾患の原因となるため、毎日の歯ブラシを利用した口腔清掃で除去します。しかし、ヒトそれぞれ口腔清掃の癖があるので、磨き残しが出ることもあります。
アイデンさんは、汚染水処理や空気浄化などに使われるチタン光触媒が口腔バイオフィルムの形成を阻止する効果があることを明らかにし、光触媒を導入した歯ブラシを開発しました。この歯ブラシで口腔清掃すれば、口腔バイオフィルムが付きにくくなるというわけです。
研究は、松戸歯学部の泉福英信教授(感染免疫学)の指導のもと、同学部の外﨑勇気さん(当時2年次生)と共同で行いました。チタンの種類や作用時間を変えながら、多糖物質を合成する糖移転酵素に反応させる実験を2ヶ月ほど繰り返すことで、今回の成果に至りました。
アイデンさんは、2025年3月、米国ニューヨーク市で開催された国際歯科研究学会米国部会(AADOCR)学術大会において、日本代表としてこの研究を発表しました。
全国トップクラスの症例数を誇る付属病院で実習
歯科医師の役割は虫歯を治療するだけではありません。口腔の健康を通じて全身の健康を支えていきます。松戸歯学部は、歯科医学を「オーラルサイエンス(口腔科学)」と捉え、医学の一分科としての教育を行っています。
このオーラルサイエンスの理念のもと、地域歯科医療の中核を担う付属病院は、新たな歯科医療の分野に挑戦していて、全国の歯学部付属病院でもトップクラスの来院患者数を誇ります。
この付属病院で、松戸歯学部の学生は臨床実習を行います。指導医、患者さん、医療スタッフと関わりながら診療に参加して、実践的な経験を積んでいきます。