感染症学・予防医学

世界初! シナモンが新型コロナウイルス感染を阻害するメカニズムを解明

日本大学 松戸歯学部 泉福 英信 教授

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この記事でわかること

私の研究チームは、シナモンフレーバーやシナモンミントなどの香料成分に、新型コロナウイルスの感染を阻害する働きがあることを世界で初めて解明しました。
これら抑制性香料化合物は、私たちに身近な食品であるチューインガムに使われています。感染を抑制するためには十分な量の香料化合物が溶出するように開発する必要があるため、チューインガムからの香料化合物の溶解性や溶出量を改善することが今後の課題です。
食品摂取で感染が予防できればワクチンも必要ありません。「感染予防ガム」といった製品を作り出したいと考えています。

私の研究チームは、シナモンフレーバーやシナモンミントなどの香料成分に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染を阻害する働きがあることを世界で初めて解明しました。

8種類の香料化合物から、抑制効果が高い香料を発見

2020年から2023年にかけて新型コロナウイルス感染症は世界各地に拡大し、感染者数、重症者数、死亡者数は増加しました。
重症化を防ぐためには、感染者から非感染者へのウイルスの拡散を抑えることが重要です。研究チームでは、ウイルスの感染拡大を防御するために、便利で効果的な素材として香料/香料組成物に着目しました。

新型コロナウイルスは、スパイスタンパク質(ウイルスが細胞へ侵入するためのタンパク質)とACE2(受容体)が結合することで体内に入り込み、遺伝情報が作られることにより感染します。
そこで、一部の香料が結合を阻害するという先行研究をもとに、8種類の香料化合物を新型コロナウイルスに作用させ、実験細胞「VeroE6/TMPRSS2」に加えて感染後の細胞変性の有無を比較しました。
その結果、香料化合物の中でもシナモンフレーバーとシナモンミントは、他の香料に比べて、新型コロナウイルスに対する感染影響に対する抑制効果が強いことがわかりました。

十分な量の香料化合物を溶出することが課題

シナモンフレーバーやシナモンミントなどの香料/香料組成物を摂取することは、新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐのに役立つ可能性があり、これら抑制性香料化合物は、私たちに身近な食品であるチューインガムに使われています。
しかし、感染を抑制するためには、十分な量の香料化合物が溶出するように設計されたチューインガムを開発する必要があります。


今後の課題は、チューインガムからの香料化合物の溶解性や溶出量を改善することです。また、キャンディーやペースト(ジャムなど)についても、香料化合物を加えるなど考慮する必要があると考えています。

ワクチンを使わずに、食品での感染予防を目指す

研究室では、コーヒーの摂取による、新型コロナウイルスのACE-2への結合に対する影響等についても研究していて、新型コロナウイルスの口腔粘膜細胞への感染抑制にコーヒーが寄与していることも明らかにしています。

香料やコーヒーといった食品摂取で感染が予防できれば、ワクチンなども必要なく、広く受け入れられるはずです。将来的には、「感染予防用コーヒー」や「感染予防用ガム」といった製品を作り出して行きたいと考えています。

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