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病気の中で最も死亡率が高かった細菌感染症は、20世紀初頭に抗菌薬が発見されると克服されました。ところが、「薬剤耐性菌」と呼ばれる、抗菌薬が効かない細菌が出現しました。
私の研究は、この薬剤耐性菌を制御することです。細菌の耐性機構を抑えることで、既存の抗菌薬を再び利用可能にしたり、病原性を抑えて感染症を引き起こさないようにしたりする研究を進めています。
抗菌薬は人類史上最も重要な医薬品のひとつであり、私たちの健康に大きく貢献してきました。だからこそ、それを持続的に活用できるようにすることが不可欠です。
※出典:株式会社栄美通信 2025年8月発行「大学×SDGs」
イラスト:内山 弘隆
私は微生物の中でも特に細菌の研究をしています。
かつて結核などの細菌感染症は、病気の中でも死亡率が最も高いものでした。しかし、20世紀初頭に抗菌薬が発見されると状況は一変し、かつて人類を苦しめていた感染症は抗菌薬によって克服されました。
ところが、現在では「薬剤耐性菌」と呼ばれる、抗菌薬が効かない細菌が出現し、新しい抗菌薬が開発されるたびに耐性菌が現れるというイタチごっこが続いています。
私の研究の目的は、この薬剤耐性菌を制御することです。
例えば、細菌の耐性機構を抑えることで、既存の抗菌薬を再び利用可能にしたり、病原性を抑えて感染症を引き起こさないようにしたりする研究を進めています。
現在、世界中で新しい抗菌薬の開発が進められていますが、私は薬剤耐性によって使用できなくなった抗菌薬を再び有効化する方法に取り組んでいます。
抗菌薬は人類史上最も重要な医薬品のひとつであり、私たちの健康に大きく貢献してきました。だからこそ、それを持続的に活用できるようにすることが不可欠です。
研究を進めるほど、「菌は賢い」と実感します。それこそが難しい点ではありますが、これまで誰も解明できなかったことを明らかにするのは非常に面白い挑戦です。
研究室では、在学中に学会発表を目標にしながら、学生たちも薬剤耐性菌の研究に取り組んでいます。
一人ひとりの将来に合わせた指導を心がけていますので、研究者を目指す方も、そうでない方も、薬剤耐性菌に興味がある方はぜひ私の研究室に飛び込んでください。
一緒に研究を楽しみましょう!
先生からの学びのヒント
「No action today, no cure tomorrow(将来の治療のために、今行動しよう)」は、WHO(世界保健機関)が薬剤耐性の脅威に警鐘を鳴らすために発したメッセージです。
皆さんも、未来の夢を叶える(cure)ために、今日できること(action)を始めましょう。挑戦、努力......その一歩が、明日へとつながります。