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この記事でわかること
原始時代や古代の日本列島における人々の神様への考え方、お祭りのおこなわれ方について、考古学の遺跡や遺物を中心に、多様な研究成果を総合して研究しています。授業は、自らの研究成果について語る「講義」と、学生の研究発表に対してサジェスチョンをおこなう「演習」がありますが、共にできるだけ新しい研究成果を提供することを心がけています。私は、発掘調査や文化財の保護、博物館の学芸員など、多様な職を経験してきました。このことが「考古学に加え、自然科学や文献史学の成果も取り入れて新たな学説を組み立てる」という、現在の研究につながっているのです。
専門分野の研究テーマは何ですか?
おもに日本の考古学と宗教史をテーマに研究をしています。中でも原始時代や古代の日本列島に生活した人々は、人間に大きな影響力を持ち、目に見えない神々をどのように考えていたのか。そして、神々に対してどのようなお祭りをおこなっていたのか。これを考古学の遺跡や遺物、『古事記』『日本書紀』といった文献、さらに自然環境や景観の情報も加えて総合的に研究しています。
授業でこだわっていることは?
講義は「宗教考古学」で、どのように考古学で宗教や神への信仰を考えるのか、主に古墳時代から平安時代の歴史の中で解説しています。
特に大事にしているのは、できるだけ新しい研究成果をみなさんに提供することです。日本の考古学は、日々新しい発見や解釈がおこなわれています。これを提供することで、学生の研究や学習において新しい視点を与えられれば、と日々考えています。
研究における象徴的な「エピソード」を教えてください
実はエピソードをひとつに絞ることはできません。私は、大学院を卒業した後、地方公共団体の職員となり発掘調査の現場に長年立ち、その後は文化財の保護行政に携わりました。青少年教育の現場でも実務を担当してきましたし、学芸員として博物館に勤務してさまざまな展示や研究もおこなってきました。
古代の神々への祭りを考えるというと、宗教の歴史の研究というイメージが強いかもしれません。しかし、そこには古代の人々が暮らした自然環境も大きく関わっていたことに気が付き、現在の研究につながっているのです。それはひとえに、さまざまな経験をさせていただきながら歩んできた結果だと思っています。
今後研究してみたいテーマは何ですか?
國學院大學の神道文化学部なので、日本の伝統文化のイメージが強いかもしれません。しかし、私は枠を超えて、「東アジアさらには世界の中で、日本の伝統文化、その核にある神々への信仰は、どのように見ることができるのか」という広い視点で、研究を進めたいと考えています。
多様な分野や海外の研究者の方々とも積極的に交流しながら、人類にとって神・宗教は、どのような意味を持つのか、という大きな課題に挑戦したいと思います。