経営学・経営倫理

企業の社会批判を未然に防ぐ「経営倫理」

日本大学 法学部 経営法学科 鈴木 貴大 准教授

この記事の大学

この記事でわかること

私が専門とする「経営倫理(ビジネス・エシックス)」は、法律の枠組みを超えた領域の問題に企業がどう向き合うべきかを扱う学問です。
現代の経営者は、「法律的に問題がなくても、社会正義的には望ましくない場合」を的確に判断しなくてはなりません。私は「第4次産業革命」に伴う課題に着目していて、たとえば、完全自動運転で走行していた自動車が事故を起こした際の、企業の責任の在り方を注視しています。
日本大学法学部の経営法学科では、社会の基盤である法律を幅広く修得しながら、企業で働くときに役立つ経営学を並行して学びます。

企業の道徳的規範を考える「経営倫理」

私の専門は「経営倫理(ビジネス・エシックス)」です。
SNSが普及した現代、企業が意図的した結果でなくても批判の対象になってしまいます。社会からの批判を未然に防ぎ、法律の枠組みを超えた領域の問題に企業がどう対応していくか。「経営倫理」の分野はそこを扱います。

法律とは、何か問題が起きてはじめてつくられるものです。そして、「今日問題が起きたから、明日法律をつくりましょう」とはいきません。
「法律で禁止されていないから問題ない」「法制度が整っていない途上国に進出すれば問題ない」という考え方では、結果的に社会から批判を浴びます。
「法律的に問題がなくても、社会正義的には望ましくない場合」を経営側は判断する必要があります。

いま、私がとくに注目しているのが「第4次産業革命」といわれる現代の技術変革です。
AIやロボットの普及により、私たちの生活も産業構造そのものも変わるなか、多数の解決すべき課題が出てきています。たとえば、完全自動運転で走行していた自動車が事故を起こした時、事故の責任は運転手にあるのか、それとも製造したメーカーにあるのか、現在の法律では定められていません。
こうした課題に企業がどう向き合い、社会がそれをどう判断をするのかを注視しています。

「人間の仕事がロボットに奪われる」といわれることもありますが、過去の産業革命を振り返ればつねに新しい仕事が生まれてきました。いまの小学生の半数は、「現在存在していない職業」に就くと予想されています。
大事なのは、こうした環境の変化にどれだけ柔軟に対応できるかです。

人生を豊かにする「法律」と「経営」の学び

どんな組織も法律の枠組みの中で経営を行っていて、金融証券取引法や会社法など、経営に関する多くの法律があります。
社会の基盤である法律を全般的に学びつつ、同時に経営学を学ぶのが日本大学法学部の経営法学科です。

着ている服、乗っている電車、コンビニの商品。私たちは数えきれない商品とそれをつくった企業に囲まれています。経営学を学ぶことで、商品の背景や売れている理由、企画した人や企業の文化などへの想像力を手に入れることができます。
また、組織がどのような仕組みで成り立ち運営されているのかを知り、人と人の関わり合いを円滑にするマネジメントやリーダーシップを学ぶことは、経営・起業に関わらず、チームで働くときにも個人で働くときにも役立ちます。

「法律」と「経営」の二本の柱を立てて、自身の学びたいことを深めていく。経営法学科の学びは、生きていくうえで大事な知識を与え、人生を豊かにしてくれるはずです。

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