学びの環境

学園のライフラインを支える、地下4メートルの巨大トンネルを探検!

玉川大学 学生防災ボランティア部/写真部

この記事でわかること

玉川学園には、1860メートルにわたって共同溝が張り巡らされ、災害時にライフラインを守るだけでなく、電柱・電線のない美しいキャンパスを生み出しています。
電線や光ケーブル、給水配管といった重要なインフラ設備が収められている共同溝。今回、玉川大学の「学生防災ボランティア隊」と「写真部」が見学の機会を得て、直径2.5メートルの巨大トンネルに入りました。
24時間管理する総務部管財課の案内のもと、日頃は意識することの少ないインフラの重要性を実感。得た知識を防災意識の向上と実践的な防災活動の充実につなげていきます。

電気、光ケーブル、電話線、ガス、水道など、生活に欠かせないインフラを地下の巨大トンネルにまとめて収容する「共同溝」。
玉川大学の敷地には、この共同溝が1860メートルにわたって張り巡らされ、災害時にライフラインをしっかり守るだけでなく、電柱・電線のない美しいキャンパスを生み出しています。


共同溝は地下約4メートルに設置されていますが、その中はいったいどうなっているのでしょうか? インフラの知識を防災活動につなげようと、玉川大学の2つの文化会クラブが内部を見学しました。

直径2.5メートル、全長1860メートルの巨大トンネルへ!

普段は立ち入ることのできない共同溝への見学が許可されたのは、「学生防災ボランティア隊」と「写真部」です。

東京消防庁出身の職員が顧問を務める「学生防災ボランティア隊」は、災害に関する知識・技術の向上を目指すクラブで、学内外の防災活動に積極的に参加しています。部員の多くは上級救命講習を受講し、「東京消防庁災害支援ボランティア」にも登録しています。


一方の「写真部」は、60年以上の歴史を誇る伝統あるクラブです。普段からさまざまな活動や大学行事などを撮影しており、この日も共同溝内部の様子や学生防災ボランティア隊の活動をカメラで記録しました。


見学会は、総務部管財課によるレクチャーからスタートしました。
直径2.5メートルの共同溝には、次の3つの系統が収められています。

○電気:低圧・高圧電線、光ケーブル、電話線、機械警備配線など
○給水:給水配管、農業用水配管
○熱源:温水配管、蒸気配管など

学園の電気や水、インターネットがこの共同溝から供給されていることや、ボイラーを通じて各校舎の冷暖房が維持されている仕組みを学びました。


説明が終わり、ヘルメットを着用して共同溝の中へと入っていきます。
共同溝は地下約4メートルに位置し、壁の厚さは25センチメートルもあるため、内部の温度は一年を通じて17〜18度とひんやり。中央監視室のスタッフが24時間365日体制で管理しています。


参加した学生防災ボランティア隊の大場誠さん(農学部生産農学科2年)は、「そこはまるで地下迷宮のようで、私たちの知らない世界が広がっていました」と話します。
インフラが地震、風水害、雪害などから強固に守られている状況を目の当たりにして、「ライフラインを管理してくださる方々がいるからこそ、私たちは不自由なく勉学に励むことができているのだと実感しました」と、感謝の気持ちを語りました。


そして、学生たちはもうひとつの重要な設備を見学しました。建物の地震の揺れを抑える「免震装置」です。


向かった先は校舎「STREAM Hall 2019」の地下。そこには、積層ゴム支承とオイルダンパーで建物を支える免震装置が備わっていました。
地震の際に建物に伝わるエネルギーを大幅に軽減し、激しい揺れを抑える役割を果たすこの装置は、玉川大学では「大学6号館」「大学教育棟2014」「STREAM Hall 2019」「Consilience Hall 2020」に設置されています。

写真部の望月颯さん(脳科学研究科修士課程1年)は、「事前にお話を聞いてから実際の設備を見たことで、大学の高度な防災システムの仕組みをリアルにイメージすることができました」と、見学の成果を語りました。

共同溝を社会学習に役立てる

自然豊かな多摩丘陵に幼稚部から大学院までを擁する玉川学園。約61万平方メートルの広大な敷地に共同溝が設置されたのは、国が本格的に無電柱化(1986年度の電線類地中化計画)を進める以前の1983(昭和58)年です。民間がこれほど大規模な地下共同溝を導入することは当時は極めて画期的であり、日本のインフラ整備の歴史から見ても先進的な試みでした。

現在、共同溝によって「玉川の丘」には、電柱が1本もない美しい景観と災害に強い環境がもたらされています。そして、「見えないインフラの重要性」を肌で学ぶ「生きた教材」としても活用されています。通常、共同溝はセキュリティが大変厳しく、大人でもなかなか見学する機会はありませんが、玉川学園では社会学習の一環として、児童や生徒たちの見学を受け入れています。

今回の見学を通して、大学生たちも日頃は意識することの少ないインフラの重要性を改めて実感することができました。学生防災ボランティア隊は、ここで得た貴重な知識を防災意識の向上と、実践的な防災活動の充実につなげていきます。

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