宇宙医学

宇宙に行ったら、脳の血流はどうなる? 「宇宙×医学」で、人類の未来に挑む!

日本大学 医学部 社会医学系衛生学分野 岩﨑 賢一 教授

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この記事でわかること

「宇宙に行ったら、人間の体はどうなる?」
そんなナゾに医学の力で迫るのが「宇宙医学」です。
日本大学医学部の社会医学系衛生学分野では、宇宙で脳の血液の流れがどう変化するのかを研究。ISSの宇宙飛行士との交信や、NASAでの実験にも取り組んでいます。
さらに、ロケットの打ち上げ時に体へかかる大きな力を地上で再現する装置も活用。医学から人類の宇宙への挑戦を支える、スケールの大きな研究です。

宇宙に行ったら、体はどうなるんだろう?

「いつか宇宙に行ってみたい!」
そんな夢を持ったことはありませんか?
月や火星を目指す計画が進み、宇宙旅行も少しずつ身近になってきました。
でも、ここでちょっと気になることがあります。

「宇宙に行ったら、人間の体はどうなるの?」

実は、宇宙は人間にとって地球とはまったく違う環境。
そこで起こる体の変化を、医学の力で調べているのが「宇宙医学」です。
日本大学医学部の社会医学系研究室「衛生学分野」では、宇宙飛行が人間の体にどんな影響を与えるのかを研究しています。
そのなかでも注目しているのが......
「脳の血液の流れ」です!

宇宙では、脳の血流が変わる!?

私たちは普段、何も意識せずに立ったり、歩いたりしています。
でも、それができるのは「地球の重力」があるから。
人間は長い進化のなかで、地球の重力に合わせて、血液を体中にめぐらせる仕組みをつくってきました。
ところが宇宙では、重力がほとんどありません。
すると、地球にいるときとは血液の流れ方が変わる可能性があります。
そこで研究者が注目したのが、
「宇宙では、脳の血液の流れはどう変化するの?」
という疑問です。
血流を測定したり、データを分析したりしながら、宇宙で起こる体の変化を探っています。
地球では当たり前の「血液の流れ」も、宇宙に行くと大きく変わるかもしれない。
そう考えると、なんだか不思議ですよね。

なんとNASAで宇宙飛行士と研究!

この研究のすごいところは、研究室の中だけで終わらないこと。
なんと、宇宙飛行士と実際に協力して研究しています!
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している宇宙飛行士と交信したり、アメリカ・テキサス州にあるNASAジョンソン宇宙センターなどを訪れたりして、実験を行っています。
つまり、
「宇宙飛行士 × 医学 × NASA」
という、まるでSF映画のような研究が本当に行われているのです。
「宇宙飛行士の体で何が起きているのか?」
その謎に、医学の視点から迫っています。

ロケットの「強い力」も再現できる!?

宇宙飛行で体に影響を与えるのは、重力がほとんどないことだけではありません。
ロケットが打ち上がるときや、宇宙から地球に戻ってくるときには、体に1Gを超える大きな力がかかります。
では、そんな宇宙飛行の環境を地上でどうやって研究するのでしょう?
そのために研究室で使っているのが、
「遠心人工重力負荷装置」です!
装置を回転させることで生まれる力を利用して、地上で宇宙飛行時の過重力環境を再現します。
宇宙に行かなくても、宇宙飛行で体にかかる力を研究できるわけです。
こうした研究には、学生も選択科目などを通して参加することができます。

宇宙には、まだまだ「ナゾ」がある!

宇宙は、人間にとって未知のことがいっぱい。
宇宙飛行士の健康を守るための研究は進んでいますが、まだわかっていないこともたくさんあります。
これから人類が月や、その先の宇宙へ進んでいけば、「宇宙で人間の体に何が起こるのか?」を知ることは、ますます大切になっていきます。
もしかしたら、これからの宇宙開発を支えるのは、ロケットや宇宙船だけではないかもしれません。

「宇宙が好き!」
「人間の体って不思議!」
「科学のナゾを解き明かしたい!」
そんな人にとって、宇宙医学はワクワクする研究分野です。
次に宇宙のナゾを解くのは、あなたかもしれません。

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